その骨董品、本物かも?偽物との見分け方と「落款・銘」の調べ方を専門家が解説
実家の片付けや遺品整理の際に見つかる古い器や掛け軸。「もしかして価値のあるお宝ではないか」と胸を躍らせる一方で、「もし偽物だったら恥ずかしい」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。骨董品の価値を左右する最大のポイントは、その品物が「真作(本物)」であるかどうかです。
本物と偽物を見分けるためには、鑑定士も注目する特定のチェックポイントがあります。特に、作者のサインにあたる「落款(らっかん)」や「銘(めい)」の読み方や調べ方を知ることは、高価買取への第一歩です。この記事では、初心者の方でも実践できる骨董品の鑑定ポイントと、査定額を上げるための基礎知識を分かりやすく解説します。
骨董品の「真贋」を見分けるための3つの基本ポイント
プロの鑑定士は、品物全体から漂う「時代感」や「作風」を瞬時に判断しますが、一般の方でも以下の3つのポイントに注目することで、ある程度の判別が可能です。
1. 「落款」や「銘」が不自然ではないか
骨董品には、作者や窯元を示すサインが記されています。これを「落款」や「銘」と呼びます。
本物の場合: 筆致に迷いがなく、勢いがあります。彫り込まれている場合は、力強く均一な仕事がされています。
偽物の場合: 有名な作家のサインを真似て書いているため、筆運びがぎこちなかったり、不自然に新しく見えたりすることがあります。
2. 素材の質感と経年変化
長い年月を経た骨董品には、独特の「味」が出てきます。
陶磁器: 底の部分(高台)の土の枯れ具合や、釉薬(うわぐすり)の細かい貫入(ヒビ)に注目します。新しく作られた模造品は、薬品でわざと汚して古く見せていることがありますが、不自然な光沢や匂いが残っている場合があります。
木工品・漆器: 手に触れる部分の摩耗や、落ち着いた光沢が出ているかを確認します。
3. 細部の細工に妥協がないか
本物の名品は、見えない部分まで丁寧に作られています。例えば、器の裏側の仕上げ、箱の紐の質、絵画の表装(縁取り)など、細部にまで職人のこだわりが宿っています。安価なコピー品は、目に見える部分だけを似せているため、細部が粗雑になりがちです。
価値を証明する「落款・銘」の調べ方
自分の持っている品物の作者を知ることは、買取相場を調べる上で非常に重要です。以下の手順で調べてみましょう。
桐箱の蓋(ふた)を確認する
骨董品本体にサインがなくても、それを収める「共箱(ともばこ)」に作者の名前が記されていることがよくあります。
表書き: 作品の名称が書かれています。
蓋裏(ふたうら): 作者の署名と落款(赤い印)が押されていることが多いです。ここに「〇〇作」や「〇〇造」とあれば、それが作者名です。
「落款事典」やインターネットを活用する
印影(スタンプの形)や署名のくずし字が読めない場合は、骨董品専用の「落款事典」で照合するのが確実です。最近では、スマートフォンの写真検索機能を使ったり、オークションサイトの過去データと比較したりすることで、似た印影を探し出すことも可能になっています。
プロに相談するのが最短ルート
「自分ではどうしても読めない」「似ているけれど確信が持てない」という場合は、無理に自力で解決しようとせず、専門の鑑定士に写真を送って相談するのが最も正確です。現在はLINEなどで写真を送るだけで簡易鑑定をしてくれるサービスも充実しています。
骨董品を高く売るために絶対やってはいけないこと
価値があるかもしれない品物を見つけた際、良かれと思ってやったことが査定額を大きく下げてしまうケースがあります。
過度な洗浄: 長年の汚れだと思ってゴシゴシ洗ってしまうと、表面の彩色が剥げたり、価値ある「古色」が失われたりします。ホコリを払う程度にとどめましょう。
自己流の修復: 割れた陶器を市販の接着剤でくっつけるのは厳禁です。修復跡がある品物は評価が下がりますが、下手に直すよりも「壊れたまま」の方が、専門家による「金継ぎ」などの修復がしやすいため、価値が残りやすいのです。
箱や布を捨てる: 品物を包んでいる古い布や、ボロボロの箱は、それ自体が本物である証拠品です。汚れていても絶対に捨てずに一緒に査定に出しましょう。
高額査定が期待できる骨董品のジャンル
特に以下のような品物は、現在市場での需要が高まっており、高値で取引される傾向にあります。
茶道具(抹茶碗、鉄瓶など)
千家などの家元の「花押(書き付け)」があるものは、非常に高い価値がつきます。また、銀製の「銀瓶」や、古い「鉄瓶」は海外のコレクターからも人気です。
中国美術(花瓶、玉、掛け軸)
中国の経済発展に伴い、かつて日本に渡ってきた中国の古美術品を買い戻す動きが活発です。特定の時代の官窯(宮廷用)の磁器などは、数千万円単位の査定が出ることもあります。
絵画・掛け軸
有名な作家はもちろんですが、無名であっても保存状態が良く、構図が優れたものはインテリアとしての需要があります。
まとめ:大切なお宝を後悔なく手放すために
骨董品の世界は奥が深く、専門的な知識がなければ正確な価値を判断するのは困難です。しかし、「落款があるか」「箱が揃っているか」といった基本を確認するだけでも、売却時の交渉力は格段に上がります。
もし手元に気になる品物があるのなら、それはあなたと歴史をつなぐ大切な縁かもしれません。信頼できる鑑定士を見つけ、その品物が持つ本当の価値を明らかにしてみませんか?
まずは、付属品をすべて揃え、現状のままプロの査定を受けてみることをおすすめします。思いがけない鑑定結果が、あなたの生活にゆとりをもたらしてくれるかもしれません。
次にできること
お手元の骨董品にある「印」や「サイン」を写真に撮ってみましょう。ピントを合わせて明るい場所で撮影するだけで、オンライン査定の精度がぐっと高まります。
骨董品を高く売るには?鑑定士が教える買取価格アップの秘訣と失敗しない売却術